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・ 「おちつく」場所:例えば、あなたが誰もいないガラガラの喫茶店に行ったとします。どこでも好きな席にどうぞ、といわれたら、ほとんどの人は自分の好みの席を選ぶはずです。どんなに小さい喫茶店でも、「おちつく」席とそうは思えない席があるものです。私たちは、このことをとても重要だと思います。つまり、ある部屋を想定した場合、その部屋内の全ての場所を「おちつく」場所にすることは出来ず、その周辺に必ずおちつきそうのない場所が同時存在するのです。我々はこの「おちつく」場所とそうでない場所をいかに適宜配置するかについて慎重に考慮すべきではないかと考えます。
・ 「ひろい」場所:どうせすまいをつくるのだからなるべく「ひろく」感じるすまいをつくりたいと考えています。「ひろさ」は人間の感覚なので、必ずしも実面積に対応するとは限りません。例えば20畳の部屋、と聞けば広い部屋のように思えますが、仮に窓も照明も無ければ広いとは感じられないかもしれません。あるいは適当な採光があったとしても、体育館のような部屋を経由してその部屋に入ったら、狭いと感じるでしょう。逆もまたしかりで、実面積の少ないスペースもつくりかた次第で広く見せることが可能です。このために視線の抜けや光の取り方、天井の高さ、隣接する部屋との関係などを注意深く調整しながらすまいづくりをすすめるべきであると考えます。
・ 素材について
・ 素材には、それぞれ特徴があります。木にも、紙にも、鉄にも、樹脂にも、それぞれ良さがあると思います。それぞれの素材を素直に生かし、使用することで、ちぐはぐでない、「しっくり」くるすまいづくりが実現できると考えます。例えば、建具の表面を木の仕上げに見せるために印刷物を貼り付けるような仕上げ方は、するべきでないと思うのです。
・ 装飾について
・ 先ず、洋風/和風といった考え方を捨てます。この国に暮らす私達はたいていの場合、いろいろな文化の影響を複合的に受けて暮らしております。ですからその生活を受け入れる器(=すまい)が完全に洋風であったり和風であったりすると、ちぐはぐなものになってしまうと思うのです。そもそも和/洋という2項対立の図式が意味をなさない現代でありますから、なおさらです。住まい手が、自分の好みを付加できるようなすまいが理想であると考えます。そのためには、必然的に、装飾的な要素が排除された、単純で根元的なすまいのご提案に行き着くものと信じております。
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